HOME > 現場で生かす予報士のコラム

2015-07-09

天気予報の「時々」と「一時」の違いとは?

天気予報で使われている言葉は独特で少し難しい印象があるかと思います。ただ、見方のコツを知っていれば、意外に簡単です。

今回のテーマは「時々」と「一時」の違いについてです。

では質問です。「くもり時々雨」と「くもり一時雨」のうち、『たくさん』雨が降るのはどちらでしょうか?

『たくさん』を『雨量が多い』ととれば「どちらとも言えない」が答えですが、『たくさん』を『降雨時間』とみなせば「くもり時々雨」が正解になります。

重要なのは時間です。

雨の降る合計時間が予想期間の半分未満の場合「くもり時々雨」、四分の一未満の場合は「くもり一時雨」となります。雨を例にしましたが、「くもり時々雪」「くもり一時雪」でも考え方は一緒です。長く降る時は「時々」、それより短い場合は「一時」と覚えて下さい。

天気予報での「時々雨」や「一時雨」には「雨量」や「雨の強さ」は関係ありません。「時々」「一時」という言葉から雨の量や雨の強さを判断することができないため、「くもり一時雨」の日でも、突発的に大雨が降り、土砂災害や川の異常出水等が発生する可能性があります。現場で雨や雪の予報が出ている際に、作業の可否判断をする場合は、降水レーダー画像などで「いつ」「どこに」「どのぐらい」の雨や雪が降るのか確認しましょう。

コラム